病気の話 帯状疱疹 Ⅱupしました。2008.3.10

2008.03.10

前回、帯状疱疹の原因が水痘と同じウイルスであることをお話しました。帯状疱疹は皮膚に水泡や発赤ができ、激痛を伴う病気です。ですから病気の本体はこの皮膚にあると誤解している患者さんが多いようです。帯状疱疹は脊髄とそれから出る神経に沿って、ウイルスが増殖します。帯状疱疹の痛みの根本的な原因はこの脊髄とそこから出る神経の根元がウイルスにより障害されひどい場合は神経が変性してしまうところにあります。帯状疱疹が出ている皮膚に治療を行っても、痛みがとれないのはそのためです。従って、ウイルスによって障害、変性されようとしている、脊髄と神経の根元に薬を入れる必要があります。具体的にはこれが硬膜外ブロック治療ということになります。軽い腰痛などの場合は外来でのブロック治療で済みますが、帯状疱疹の痛みは激痛で持続的です。従って、持続的に薬を効かせて痛みをとる必要があります。外来でのブロックと同様の方法で直径1ミリ程度の細くて柔らかいビニールのカテーテルを留置します。注射は最初の一回のみで以後は注射することなく、24時間、持続的に薬を入れます。持続的硬膜外ブロックといいますが、入院が必要です。帯状疱疹の出来るだけ早期にこの治療を始めて神経の変性を防ぐことがポイントです。ブロックで使う薬は局所麻酔薬が主体です。局所麻酔薬は痛みをとる効果のほかに、交感神経の過緊張をブロックして局所の血流を改善します。この血流を改善し、病変部への血流を増加することによる治療効果が重要です。従って、一時的に痛み止めで痛みを止めるというようなものではないのです。